皆さんこんにちは。私は強度のHSP(繊細さん)の看護師です。
かつて私は大病院の手術室で4年半、泣かされてコテンパンにされながら働いていた、よく泣くHSPの当事者です。
今日は、「すぐ泣いてしまうHSPさんに伝えたい3つのこと」というテーマで記事を書きました。
- 泣きたくないのに人前で涙が出てしまう
- 大人なのに、社会人なのに、職場で泣いてしまう自分が不甲斐ない
- すぐ悲しくなって涙が出て辛い
- 周囲に涙もろいことを理解してもらえない
そんな人に向けて、この記事を書きました。
HSPという気質を持ちながら、涙を流しながらも一生懸命日々を生きている皆さん。
少しでも何とかしたくてネットで検索して、この記事にたどり着いたのかもしれません。
辛いのに、悩みながら本当によく頑張っておられると思います。
少しでも、皆さんのお力になれれば幸いです。
泣いてしまう性質を変えるのは難しい

そもそも、よく泣くHSPさんが泣いてしまう性質を変えるのは難しいです。
いきなり身も蓋もないことを言ってしまってごめんなさい。
でも、もうちょっとだけお付き合いください。
まず、HSPさんの性質を、仕事で泣いてしまう社会人を例におさらいしてみましょう。
HSPの特徴から考えよう
HSP研究の第一人者、アーロン博士はHSPについて、以下の4つの特性が揃っていることがHSPの条件だとしています。
- Depth of processing=深く考えて処理する
- Overstimulation=刺激に対して反応が大きい
- Empathy and emotional responsiveness=感情移入して共感しやすい
- Sensitivity to subtleties=繊細な感覚
これを職場で泣いてしまうHSPさんを例に当てはめて考えてみましょう。
1.”深く考えて処理する”
職場の人が何気なく言った一言に対して、「私のあれがいけなかったのかな」「もしかして機嫌が悪いのだろうか」「嫌味で言われたのかな」とグルグル深く考え込んでしまうんです。
2.”刺激に対して反応が大きい”
ほんの些細な注意を受けただけでも傷ついてしまったり、涙が出てしまいます。
すぐ泣いてしまうというのはそもそもHSPの特徴なわけで、裏を返せばすぐ泣いてしまうからHSPであるというわけなんです。(少し強引な解釈ですが)
3.”感情移入して共感しやすい”
相手の気持ちを察知しやすいのもHSPさんの特徴のひとつ。
怒っているな、とか、誰かが注意を受けて悲しんでいるな、とか、非HSPの人が気づかないようなことまで気づいて、相手と同じ気持ちになってしまいます。
4.”繊細な感覚”
強い言葉や大きな声、緊張感、そういったものがとても苦手です。
こちらの記事では、HSPについて、そしてDOESという性質について更に具体例を増やして解説しています。

そもそもHSPは泣きやすい性質を持っている

どうでしたか? 自分にも当てはまりませんか?
科学的に見てもHSPさんは、そもそも泣いてしまいやすい性質を持っているんです。
しかもこれは生まれつきで、後天的に変わるものではありません。
むしろ、これだけ繊細で傷つきやすい性質を抱えながら、非HSPさんのなかで本当によく頑張って働いていると思います。
泣きやすいのを何とかしようとするということは、HSPの気質を何とかするということ。
生まれ持った気質を無理やり直そうとしても、それは本人にとって辛いことだと思います。
それに、あなたの素晴らしい個性が死んでしまうということにもなります。
特性を変えずに生きやすくする:「泣いてもいい」

でも、実際問題すぐ泣いてしまうから困っているんですよね。
ここからは、HSPさんがその特性を変えずに楽に生きられるような方法をお伝えしていきます。
「涙がこぼれないように上を向いて歩く」とか、「泣いていることがバレにくい化粧のやり方」とか、そういった対処療法的な方法は残念ながら私は持っていません。
以前は私も「泣き顔が見えないようにマスク、手術帽子、眼鏡で顔を極限まで隠す」とか、「体をつねって痛みで気を紛らわす」とかやってましたが、本当に心の健康によくないです。
結局泣いていることはバレてしまいますし、私は結果的に休職に追い込まれるまでになってしまったので、一時しのぎの方法はおすすめしていません。
少し勇気はいるかもしれないけれど、根本的に今より楽に生きられるような方法を紹介していきます。
泣いても大丈夫だと知ろう

皆さんは、職場などで泣くことはいけないことだと思っていますか?
私は思っていました。というか今でもできれば泣きたくないです。
でも、実は意外とそこまで気にされていないことに気づいていますか?
少し、私の周囲にいた人たちのことを話します。
ある新人さんが手術室に入ってきたのですが、その子はとってもよく泣く子でした。
うちの手術室ではドクターに滅菌ガウンを着せるのも看護師がやりますが、その子が初めてガウンを着せるとき、触ってはいけない部分に触って滅菌ガウンを使えなくして泣いてしまいました。
私はその子が泣いてしまう気持ちがとても分かったので、自己嫌悪に陥っていないか、仕事が嫌になっていないかととっても心配になりました。
しかし、非HSPの同僚たちは、ああ泣いているね、くらいでほとんど気にしていなかったのです。
その後もその子はよく泣いているのを見かけましたが、みんなその時は慰めたり声をかけたりしますが、それ以上でもそれ以下でもなかったんですよね。

また、手術室は激しい場所なので、病棟から異動してきた40~50代のベテランナースが泣かされているところなんかもちょいちょいみかけますが、それも意外にみんな気にしてないんです。
実は自己嫌悪に陥ってすごく気にしているとしたらそれは自分だけで、ほとんどの人はそんなに気にせず、むしろ心配してくれていたりします。
やや強引に言えば、泣きやすい人を、例えば体調不良で声が枯れやすい人と同じようなスタンスで捉えていたんですね。
周りの人は良くも悪くも自分にそこまで注目していないことに気づけると、少し楽になるかもしれません。
そういうキャラと知ってもらうと楽になる

もし周りの人が話しやすかったり、ある程度打ち解けているのであれば、自分は泣きやすいとカミングアウトしておくのもおすすめです。
そうすると、泣いてしまったときに理解ある人なら普通に接してくれます。
するとこちらも気が楽です。
私は以前、先輩から嫌がらせで「あの子泣いてるよ!」って大声で指をさして言われることもありましたが、私の性格を知っている人たちはみんな普通にしてくれました。
というかあんまり気にしていないか、優しく声をかけてくれました。
(それで全員が笑いものにしてくるような職場だったら問答無用で逃げましょうね!!)
でも、環境を変える方がおすすめ

さて、ここまでは、今の環境で泣いてしまう自分を無理に変えずに過ごす方法をお伝えしました。
しかし、頻繁に泣いてしまうということは、頻繁に辛いことがあるということ。
周りの人は気にしていなくても、あなた自身が辛くはありませんか?
泣きながら頑張ってきたHSPさんには、もっと楽な選択肢があることもぜひ視野に入れておいてほしいと思います。
私は、手術室から半ば強制的に抜けることになりましたが、本当に抜けてよかったと思っています。
「みんな普通にやっているんだからこれくらい辛くても我慢しないと」「私はまだ恵まれている」「まだやれる」そんな風に思いながら、実は身も心も疲れ切ってしまってはいませんか?

以前私は社会人なんだから辛くても頑張って当然、という考えに縛られていました。
しかし、手術室を抜けて身体をしっかり休めたことにより、いかに自分のHSPという性質を無視して無理をしてきたかということを思い知らされることになりました。
今の時代、働き方はどんどん多様化しています。
終身雇用の時代はとうに終わり、転職も珍しいことではありません。
転職などのサービスも整っていますし、インターネットで情報を手に入れることも簡単です。
泣きながら無理をして働いても、誰も責任を取ってはくれません。
もちろん無理して転職する必要はありませんが、今どうしても辛いなら、どうか無理をしないで自分の良い方へと踏み出してほしいなと思います。
まとめ:泣いてしまう自分ではなく環境を自分寄りに変えていく

私はブログで再三お伝えしているのですが、HSPは才能です。
人の心が分かり、気持ちに寄り添える素晴らしい性質です。
現代社会で生き抜くにはHSP気質ではなかなか辛いというのもとてもよく分かります。
だからこそ、自分の性質を殺してしまうのではなく、自分の生きやすいように環境を合わせていく、そういう考え方をしてほしいと思います。
HSPの皆さんが楽しく人生を生きられるよう、応援しています!
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